口は下顎で開きましょう
以下は女性テューバ奏者M.K.さんからのご質問とそれに対するやり取りからの一部抜粋です。
※演奏時に顎に力が入るというお悩みについて
外池:
まず、アゴの構造と仕組みですが、いわゆる顎関節の場所をご存知でしょうか。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/顎関節
一般に、顎の関節を下の歯の奥辺りと誤認して、動きに無理を生じている方は少なくありません。正確にはより奥の少し上、つまり耳の穴のすぐ前辺りに顎の関節があり、ここから顎が動けるというイメージを持たれると、動きや力の運びがスムーズになります。指で軽く触れると動きが感じ取れます。
ネットには沢山の画像がありますので、既にご理解のことでなければ、ぜひ顎関節のイラストなどご覧になりイメージを持ってみてください。
もう一つには、ブレスをする、息を吸う時に口を開けることになると思いますが、基本的に口を開ける時は上顎は動きません。腹話術の人形では上も下も顎がパクパク動いていますが、上顎を動かすイメージを持っていると、顎に無理な力が加わって力みや痛みに繋がることがあります。
既にご存知のことや、理解されていることもあるかもしれず恐縮ですが、よろしければこれらのポイントをぜひ意識して演奏に取り入れてみてください。
何かしら、お役に立ちましたら幸いです。
M.K.さん:
お返事ありがとうございます。
楽器なしでですが、顎の付け根を意識したところ、普段より楽に動いたり、口を開きやすくなったように感じました。
楽器なしでですが、顎の付け根を意識したところ、普段より楽に動いたり、口を開きやすくなったように感じました。
これを演奏の時もやってみようと思います。
ありがとうございます。
※数日後
M.K.さん:
今日先ほどまで練習だったので、さっそく色々試してみました。
まず、「顎の付け根を、耳の前辺りと意識してみる」ですが、下顎の力みがだいぶ取れ、ペダルトーンが楽に出せるようになりました。響きも増したので、無理に大きな音を出そうとしなくても大丈夫になりました。
ピアニッシモで、演奏人数の少ない場面のロングトーンも、かなり伸びるようになりました(この辺は、精神的な兼ね合いもあって、続けて検証していきます)。
☆まとめコメント☆
一般に、私たちは自分の身体の構造・機能を自分が持ち備えているイメージに基づいて使っています。極端なことを言えば、身体を使っているというより「カラダのイメージ」を使っているという方が実態に近く、時に現実の構造とかけ離れたイメージで身体を使っていることも少なくありません。
こういったカラダのイメージをボディ・マップと呼んだりもしますが、このイメージが正確であればあるほど、動きの質、ひいては演奏の質の向上に繋がります。簡単なものでも人体の構造を確認できる資料を眺めてみることは音楽家にとって思いの外に助けになるものです。
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