観察と意図

アレクサンダーの教師の持つ優れた能力の一つが「観察力」。動きを観察することでその生徒さんの思考まで見抜いてしまう教師もいるほどで、まるで神通力のようですが、その観察を通じて生徒さんの頭と脊椎の自由な関係を妨げているものを抑制したり、より自由な関係が起こるような方向性を与えたり、観察はレッスンではとても重要な要素になるのです。

そして、教師にとってだけでなく、生徒さんがアレクサンダー・テクニークを学んだり応用する時も、観察することは大きな助けとなってくれます。

注意したいのは、「観察」は観察する人「意図」や「信念」にとても強く影響されてしまうということです。完全に無色透明な観察というのはありえません。

極端な例ですが、例えば
「打楽器とのリズムがずれる時があるから気をつけて!」
と言われたりすると、聴けば聴くほど、自分と打楽器がずれるところばかり聴こえてしまう(!)というような経験はありませんか?

音程、音色、リズムなど、自分が持つ信念によって、「聴こえている」ものを聴かなかったり、「見えている」ものを見なかったり、私達の得る情報は、観察する意図によって大きく形を変えてしまいます。

もうお分かりかもしれませんが、不安や恐怖を持って「観察」する時、私達はいつの間にかその不安や恐怖を正当化してくれる情報ばかり集めてしまいます。否定的な信念や意図を持っていると、自分を追い詰める情報がどんどんやってきてしまいます!

だから、演奏を聴く時、情報を集める時に逆をやってみましょう(^-^)!

「問題がある」と思うのでなく、まずとても素晴らしい演奏があって、それを「もっとよくする」という「意図」を持って「観察」してみましょう。

合奏でも、個人の練習もパートの練習でも、聴こえる音や気づくことががらりと変わってびっくりすると思います!
ぜひお試しを(^0^)!

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