知っておきたい「顎」のこと
前回は「指」の構造・関節とそのマッピングの大切さについてお話しました。
今回ご紹介したいのはテューバ奏者に限らず、管楽器奏者であればだれでもぜひ知っておいて頂きたい「顎関節」。
管楽器演奏におけるアンブシュアの問題とも関わってくるところで、顎の話はもうすっかりお馴染みという方も多いかもしれません。また、幸いにも私は症状を経験していないのですが、管楽器の演奏家の中にはいわゆる顎関節症を患われる方も少なくないと聞きます。管楽器奏者にとっては演奏活動のみならず、日常生活のクオリティにも影響しうる顎関節ですが、ここでも具体的な知識をより良い使い方のヒントとすることができるはずです^^!
まずおさらいしたいのは関節の「位置」です。よくある間違いが奥歯の出会うところが関節だという思い込み。骨と骨が出会って動く位置は奥歯の出会う位置とは違います。
こちらの図を見ていただくとお分かり頂けると思いますが、顎関節の位置は奥歯の出会うところよりずっと高く、ずっと奥にあります。耳の近くで顎の骨が頭の骨と出会う場所。ここが本当の顎の関節の位置です。
もう一つおさらいしたいのが関節の「動き方」。腹話術のお人形などで、上顎と下顎がそれぞれ上下にパカパカ動いているのを見ることがありますが、あの動き方は実際の顎関節の動きとはずいぶん違います。
現実に人間の顎関節で、口を開けたり閉じたりする際に積極的に動いてくれるのはいわゆる「下顎」の方です。頑張れば「上顎」を持ち上げるような動かし方もできるかもしれませんが、身体のデザインに沿った使い方とは言いがたく、上顎を持ち上げようとすると必要以上の力みで関節を痛めてしまうかもしれません。「動くのは下顎」ということもぜひ覚えておいてください。
演奏中ブレスを吸う時、アンブシュアをセットする時、顎関節の正しい位置と動き方を思い出してみてください。
ぜひお試しを^^!
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