楽器を構えるその前に!!
楽器の演奏、練習をする方に是非試してみて頂きたいことがあります。
演奏家の方は楽器を奏でる時とてもよく自分の身体の使い方に注意を払っていると思いますが、そんな注意のフィールドをほんの少し広げてみるとさらにいろいろなことに気づくことがあります。
具体的には、楽器を構えて音を出そうとするその瞬間から少し巻き戻して、楽器をケースから出す時、椅子を置いて、スタンドを使う人ならスタンドの高さを調整する時、譜面台をセットする時から自分の身体の使い方、すなわちアレクサンダーのレッスンでいう「頭ー脊椎の関係」に意識を向けて見てほしいのです。
楽器を構えてさぁいよいよ演奏しようという時だけを切り取ってそこに意識を一点集中するのではなく、時間的にも空間的にも「演奏が始まる瞬間」の周囲にまで注意を払ってみてください。
私自身の経験を挙げると、私は楽器を構えてから背筋を少し伸ばしてみたり、腕の力を抜こうとしてみたりしていたのですが、先生からの指摘で椅子に座る前、楽器を椅子まで運ぶ時から自分の身体の使い方に意識を向けてみると、実は楽器を持ち上げる時に既に首を固めて頭を押し下げていたり、椅子に座ろうとする時に既に股関節を固めて不必要に腰を押し曲げていたことに気づきました。
これらの不必要なことを一つ一つ見直して手放してみると、楽器を構えた時に調整しようとしなくても、既に自分の身体の使い方は大きく変わっていて、それだけでがらりと音色も変わることが分かりました。
この変化は「楽器を構えてから」の身体の使い方だけを見ていては導けなかったと思います。
私たち演奏家は音を出す時だけについつい集中してしまいがちですが、ちょっと立ち止まって、遠くから見直してみる。もっといろいろなことが見えるはずです!
お試し下さい(^_^)!
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