楽器と触れ合おう!

楽器を演奏する時、それ以前に楽器を構える時、もっと言うと楽器をケースから取り出す時に思い出して、考えてみてほしいことがあります。

それは楽器と「触れ合う」ということ。

楽器をただのモノと考えて触るのではなく、ちょっと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、自分と一緒にいてくれる、音楽の大切なパートナーだと考えて触れてみて欲しいのです。

先日来日したトミー先生とのレッスンで、お互いに相手の肩や背中に触れて、相手と自分が「フィットする」ところを見つけるという実験をしました。

言葉で説明するのはちょっと難しいのですが、自分の手をまず「空っぽ」にしてから、相手の身体の構造に自分が寄り添うようにして触れるのです。

驚いたのはその実験をしてからの楽器の演奏の変化です。

人間に繊細に触れるということを体験すると、実は楽器にも同じように繊細に触れることができます。人間に触るということと楽器に触れることは本質的には同じことだということが分かります。

「フィット」するところを探す意識で楽器に触れると、楽器に触るということがとても新鮮な体験として感じられるようになってきます。習慣ではなく、その時その場所での自分と楽器の関係を感じ取ることができます。

テューバの場合なら、左手を置く場所の管の太さやカーブの違いがとても新鮮に生き生きと感じられますし、右手がレバーを押す時の力の働きもとても繊細に感じられます。もちろんマウスピースに唇をあてる時も僅かな圧力の違いが繊細に感じ取れるようになります。

そして、一つ一つの音を出す度に楽器の色々な反応をフィードバックとして受け止められるようになります。ロングトーンやタンギングの練習をする時も、自分のことだけではなく楽器との関係性がどうなっているかを観察できるようになるのです。当然気づくことが増えて、自分が意識して選ぶことも増えていきます。

これだけでも基礎練習や曲の練習の効率はぐんと上がるはず☆

何となく「習慣で」触るのではなく、まずは繊細に、静かにご自分の楽器に触れてみましょう。

ぜひお試しください^_^!

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