音程が気になるとき

暑い時期、特に管楽器中心の吹奏楽編成だとどうしても音程を合わせるのが難しい時があります。

普段よりは明らかに楽器の音程は高くなりますし、これが管楽器の難しいところですが、高くなるからといって無闇にチューニング管を抜き過ぎると響きのバランスが崩れてしまって音色が変に暗くなってしまったりします。

音程に関しては、奏法の問題や、練習の環境など、すぐには解決しにくい要素がたくさんあってなかなか手強いのですが、こういう場面でもアレクサンダー・テクニークのアイデアを使うことができます。

アレクサンダー・テクニークについてはいつもそうなのですけれど、ここでも音程が合わないという状況に対処する前に、音程が合わないという状況への「自分の反応」にまずは取り組んでみましょう。音程が合わない時、自分自身の面倒をみることを考えてみるわけです。

合奏中にハーモニーが濁るとついつい
「おおっと!」
と自分に急ブレーキをかけたくなってしまう時がありますが、実はこういうびっくり反射こそ管楽器の音程を不安定にしてしまうもので、むしろ抑制したい緊張ですね。

そこで、音程がずれた時に「いかん!」と自分を叱りつけるのではなく、まずは合っていない音を批判せず「ただ聴いてみる」ことを試してみましょう。

音程のズレという刺激に対して即座に過剰に反応しないように、まずずれている音程をただ聴いてみる。そうするうちにお互いの音がどの高さにあって、どこに向かっているのか、どうやって合わせる方に近づいていくか、すぐに音程が合わなくても、自分自身が教えてくれる情報に注意を向けることをゆっくり実践してみましょう。チューナーだけに張り付いて、周りの音を聴かないようにはならないように。ゆっくりと時間をかけて周囲の音を聴くことで、プレイヤー同士のアンサンブル力も確実にレベルアップしていくはずです。

暑い日の練習や、音程が気になる時にこそ「ただ聴く」ことを試してみてください(^_^)

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