「表現する」ために絶対に必要なこと

「音楽を表現する」
良く耳にする言葉ですが、とても奥深い探求すると果てしのないテーマですね。今回はこの「音楽を表現する」ために演奏家がしなくてはいけないことをゆっくり考えてみたいと思います。

私たち演奏家は、基本的には作曲家が造り上げた「楽譜」に従って音楽を演奏することになるわけですが、ともすると楽譜をなぞることが音楽を表現することである、或いは音楽に必要なゴールであると思い込んでしまうことがあります。

もちろん楽譜に忠実に、楽譜を正確に演奏できることは音楽の大事な要素なのですが、実はこれはそれだけで十分といえるようなものではありませんし、逆に楽譜に100%忠実に演奏できない限り、絶対に音楽が生まれないというような必要条件というものでもありません。

ちょっと回りくどい言い方ですが、楽譜を正確に、忠実に演奏できる技術・能力とは別に、その楽譜から音楽を表現するために必要となる力、行わなければならないプロセスというものがやはりあるのです。

そして、これはよく言われるような「テクニックと音楽性」というようなちょっと乱暴な二元論の話でもありません。

「テクニックは素晴らしいけれど、音楽的にちょっとね。」
というような批評を耳にすることがありますが、本来、このようにテクニックというものと音楽性というものを別々に切り分けて考えるべきではないと思います。

まず表現したい音楽が明確にあって、それに対して必要となるテクニックがあるのであって、表現から独立したテクニックというものがあるわけではありません。

勘の良い方ならもうお察し頂いているかもしれませんが、、つまりいわゆる基礎練習によってタンギングの能力を身につけたり、ロングトーンで音質・音色を洗練させていくという機械的に思える手続きにおいても、実は「表現する音楽」を明確にイメージしている必要があるということをお伝えしたいのです。

曲の研究だけではなくて、楽器の基本的な技術の探求についても、やはり「音楽を表現する」ことから始める必要があるということです。

いつの間にかすっかり前置きが長くなってしまいました。

では肝心の、音楽を表現するために具体的に必要なプロセスとは何なのか。次回さらに探求していこうと思います。

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