感情に耳を傾けよう

練習や演奏中の自分の心の動き、感情に目を向けてみましょう。

音楽家はとても優れた観察力を持っている人が多いので、演奏中に自分が何をしたのか非常に事細かにフィードバックできる人もいます。

管楽器のプレイヤーであれば、高音を外した時に
・喉が締まってしまった
とか
音が割れてしまった時
・アパチュアが広がり過ぎた
とか、演奏技術に伴う自分の身体の使い方を客観的に分析することで演奏を向上させることができますが、練習をする時、特に自分ひとりで個人練習をしている時は是非とも自分の身体の使い方だけではなくて、自分の心の動き、すなわち自分の感情にも注意を向けてみてほしいのです。

苦手だと感じているフレーズや、出しにくいと思っている音域にアプローチする時、自分の中にどんな
「感情」
が動いているか、そこを観察してみてください。

逆に自分が好きな曲や得意なフレーズを演奏している時はどんな気分でしょうか?

ここで一つ心がけて欲しいのが
「ただ観察する」
ということ。

演奏した時に、自分の中で起こる色々な心の動きや感情の現れにただ耳を傾けて観察することに徹してみて欲しいのです。

ひょっとしたら苦手なフレーズに向かう時は不安や失敗への恐怖に気がつくかもしれませんが、その不安や恐怖を乗り越えようとしないで、打ち消そうとしないでまずは自分の感情を認めてあげて欲しいのです。

感情を変えることや乗り越えることが目的なのではありません。

アレクサンダーのワークは感情のコントロールを目指しているようにも見えるかもしれませんが、コントロールできるのは感情に対する反応です。感情そのものを抑えつけたり否定する必要はありません。

まずは自分の感情に気付いて、観察して、その感情を認めてスペースを与えてあげること。

その感情に寄り添って、慈しむ気持ちを持ってあげてほしいのです。難しいフレーズに向かう時の恐怖や不安も、心の音色として音楽を彩ってくれているものでもあるはず。

自分の感情と仲良くなって、自分に対して親切になりましょう。

そうしてみて初めて、自分の心の動きに対しても、そしてそこに伴う身体の働きに対しても、主体的に「選択すること」が出来るのだと思うのです。

ぜひ試してみてくださいね。

今回もお読みいただきありがとうございました。

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