自分に優しい向上心
「向上心」という言葉が指す心の在り方。人それぞれにいろいろな姿があるようですが、
「向上心=現状に満足しない」
という、自分を苦しめる図式にとらわれてしまう人もいるようです。
「もっと上手く演奏したい」
「いつかはあんな演奏をしたい」
私達は、「もっと…」、「いつか…」という形で未来の自分にとても大きな期待をしがちです。
もちろんそれは間違いではありません。未来の自分に理想を持って、望みをもつことは上達や進歩の大きな助けになってくれます。
けれど、その望みや期待の裏返しで、現状の自分に対して「まだまだ足りない」と不満の声をぶつけてしまう人もいるようです。
「自分はまだまだ」、「もっと精進しなくては」という気持ちこそ向上心であると思われがちですが、自分のお尻を叩いて理想に向かわせようという態度は効率的とも建設的とも言えません。もちろん無駄なことではありませんが、それは端的にいって自分に対して少し欲張り過ぎだし意地悪な態度です。私達の心と身体の仕組みに則った向上心とは言えません。
本当に建設的な向上心とは、
「自分に対して優しい向上心」
です。
まずは「もっと…できたら」、「いつか…したら」という条件を付けないで、今この瞬間の自分自身の演奏を心から祝福して受け入れてあげましょう。
これは現状に甘んじることを勧めているのではありません。そうではなく、自分を受け入れることについて考えてみて欲しいのです。
自分を否定しながら上を目指すのではなく、自分を肯定しながら上を目指してみる。不思議に聞こえるかもしれませんが、本当に効率的な上達のプロセスは自分に対する「イエス」から始まるのです。
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