まずは自分に優しく

アレクサンダー・テクニークは人間関係・コミュニケーションの技法でもあります。

ちょっとユニークなのは、このワークでは他人とどう付き合うかではなく、むしろ他人と接している時の「自分とどう付き合うか」をより深く探求するというところです。

面白いことに、自分との接し方が変わると、結果的に目の前の相手との接し方も変わり、相手の自分に対する態度や評価も変わります。

コミュニケーションというのは自分と相手の相互の働きかけで成り立っていますから、自分が変われば相手が変わるのは当たり前ともいえますが、もう少し掘り下げたいのは、では自分を変えるにはどうしたら良いのかということです。

「相手を変える」、「環境を変える」というのはなかなかうまくいかないということは納得しやすいと思いますが、実は「自分を変える」というのも強引なアプローチでは解決になりません。

そもそも自分がこういう自分であることにはそれなりの理由があります。

短気だったり、心配性だったり、飽きっぽかったり、私達がネガティブに評価しがちな性格を誰でも少しは持っているとは思いますが、どれもいろいろな経験や体験が積み重なって状況に応じて身についたものですから、いきなり矯正しようと思ってうまくいくものではありません。

ではどうしたら良いのか。

一つの方法は、自分を認めて、自分で自分を前向きに評価してあげることから始めることです。

もちろん、短気であることや、飽きっぽかったりすることの問題点もあるでしょう。周囲からそのことで否定的な評価を受けることもあるでしょうし、それは素直に受け入れ反省するしかありません。

それでも「問題」になっている自分もまた必要があって、最善の結果としてそういう自分なのだと一旦は認めてあげることが大切なのです。

自分に厳しく接していかなくては自分の性格の欠点は治らないと考える人が多いのですが、実は欠点を欠点と思って罰するように接することが一番の壁になっている場合もあります。

北風と太陽の御伽噺にもあるように、私達の心も身体も責められたり攻撃されると緊張して頑なになります。

頑なな心も、頑なな身体も、動きにくく変わりにくい自分を作ってしまいます。

自分を変えたい!と思うならまずは今の自分を一度心から受け入れることから始めなくてはいけません。

アレクサンダー・テクニークのレッスンでは自分の身体と心の習慣を深く観察することを繰り返しますが、決して欠点を探しているのではなく、欠点と思われがちな習慣がどんな素性を持っているのかを探求し、その習慣にまずは前向きなOKを出すことが目的なのです。

自分を批判するのではなく、許して受け入れることが本当の変化には必要だと思うのです。

今回もお読みいただきありがとうございました!

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