自分の使い方

アメリカから来日したジェニファー先生のワークショップには管楽器奏者、ピアニスト、声楽家にバイオリニストと多種多様な沢山の音楽家が参加されていました。

ジェニファー先生ご自身はバイオリニストなので、管楽器や声楽家にどうやって教えるのだろうと、普通ならば疑問に思われる方もいるのもしれません。

とても印象的だったのは、ジェニファー先生はどの生徒さんに対しても一貫して

・重力のサポート(重力がなければ立っていることもできません)を思い出すこと
・背中の支えを思い出すこと
・頭が脊椎の上で自由に動けることを思い出すこと

を特に強調されていたことです。
(もちろん、生徒さんお一人お一人に合わせて他にも細かなアドバイスも提案されていましたが、私の印象に残ったのはこれらの点という意味でお話しています。)

これらに共通しているのはどれも
「自分全体のバランス・使い方」
に働きかけている考えだということ。

自分全体のバランスを協調させること(英語を話す先生はまさにCoordinationという言葉を使われたりもします)こそアレクサンダー・テクニークの根本にある原理の一つです。

アレクサンダーのワークを脱力や呼吸のためのメソッドとして捉える方もいるようですが、それは一面では正しいのですが、実はいずれも結果的に表面に現れるものでしかありません。

本当に根本的なのは
「自分全体の使い方」
なのです。



普通のバイオリンの先生は指使いと弓使いを教えるけれど、その教え方では「全体性」が抜け落ちているということを仰っているのも印象的でした。

何より、百聞は一見にしかず。自分全体のバランスを思い出すと、その生徒さんの楽器の音色、呼吸、指使いが勝手に変わってしまうのがわかります。そこには全くと言っていいほど注目していなかったのに、バランスが変わると全て勝手に上手くいってしまうのです^_^

「楽器についての知識や技術は既にあなたは沢山学んでいるから、それを信頼していれば大丈夫。自分全体の使い方が変わればそれだけで、既に学んでいる知識が全部あなたを助けてくれます」

テューバのレッスンを受けた際に、ジェニファー先生から頂いた言葉ですが、まさにアレクサンダー・テクニークの本質だと思います。

どんな楽器を、どんな先生とどんな流派で学んでいても、あなたが自分全体の使い方を変えることは必ず大きな助けになります。

鍵になるのは「自分の使い方」です。実はこれが奥義(?)なのではないかと思うのです。

今回もお読みいただきありがとうございました!

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