上達のカギは観察力!!

楽器のレッスンを本格的に経験されたことのあることなら身に覚えのある(?)ことかもしれませんが、先生や先輩の言うとおりに演奏している、練習しているのに「違う!」と言われてしまうことがあります。

どう考えても言われた通りにやっているのに違うと言われると戸惑ってしまいますが、どうしてこういうことになるのでしょうか?

根っこにある原因は一つ。先生や先輩も、そしてあなた自身も、多かれ少なかれ人間は「やっていると思っていること」と実際に「やっていること」の間にギャップを抱えているからです。

先生や先輩は「自分がやっていると思っていること」をあなたにやるように指導したとする。けれど、そう指導しつつ、実際には先生も先輩もまるで違うことをしていたりするのです。

「背中を真っ直ぐに!」していると思いながら、実際にはいつも背中を緩やかにカーブさせていたり、「肩を上げない!」と生徒に指導しながら自分では知らぬ間に肩を上げていたり。こういう先生は結構います。

一方で、生徒の側でも同じことが当てはまったりします。先生の言うとおりに身体を使っていると思っていても実際にやっていることがやっぱり違う。

教える側も教わる側も、少しずつ自分のやっていると思っていることと実際にやっていることがずれているから、これが組み合わさるとまさにもう「話が噛み合わない」わけです。

これは無理もないことで、私たち人間は大体において自分の「感覚」で身体の動きを把握する習慣を持っていますが、この「感覚」はかなりの程度自分の体験で培われたものですから一人一人の違いがどうしても出てきます。。

「真っ直ぐに!」とか「強く!」とか、「軽く!」とか言う時に一人一人が自分の感覚のメーター、感覚の地図に頼っているから、指導をする時はこれが当たる時もあれば大外れになってしまうこともあるわけです。
(このように、身体を使う上で感覚という物差しは大いに曲者で、アレクサンダー氏は「感覚はあてにならない」ということを著書や講演で度々強調しています)

解決策はずばり、観察することです。




先生が何かを伝えようとしている時、生徒であるあなたご自身がそれを再現しようとする時、やっていると思っていることに対して「実際には何をやっているのか」を観察できるようになれば情報はより正確になり上達はずっと速くなります。

アレクサンダー・テクニークのレッスンでは動きに対する観察力も磨かれます。教師は解剖学の知識を共有したり、手を使って生徒さんに自分が何をやっているのかを気づかせることで、観察力を磨くお手伝いをしていきます。

自分が何をしようと思って実際には何をしているのかを分析できれば、楽器の演奏を学ぶ人にとってはどんな先生に習いに行っても役に立つ強力なスキルになりますよ。

☆音楽家の方に向けたメルマガ:音楽を楽しむ人のためのアレクサンダー・テクニーク
も絶賛配信中です。

ご購読はこちらから
よろしくお願い致します!!

コメント

人気記事