比喩に振り回されないで!
楽器の奏法は身体の使い方なのですが、身体の使い方を教える言葉というのはどうしても「比喩」が多くなります。常にレントゲンで動きを確認しながら、ビデオで撮影しながら教えるなんてことができれば理想なのでしょうけれど、現実には難しいので、どうしても動きを言葉やイメージで伝えることになります。
これまで興味がなかったという人はぜひ少しでも覗いてみてくださいね。
言葉もイメージも、もともとそのものを比喩で説明する道具ですからやっぱり完璧に伝えられるものではありません。
アレクサンダーのワークではよく言われることですが「感覚評価はあてにならない」ということもあるので、奏法を習う先生によって、「強く」とか「軽く」とか、「固く」とか「柔らかく」とか、自分の感覚のメーターで捉えたことを伝えられるとさらに誤解で学んでしまったりします。
管楽器では呼吸のレッスンなんて10人先生が入れば10通りの比喩が使われてしまったりしていて、現実には同じことをやっているのに真逆の言葉で説明されている先生がいたりもします。こういう時に言葉の比喩にこだわり過ぎてしまうと混乱しちゃいますよね。
呼吸で特に有名なのは「お腹に息を入れる」という比喩ですが、現実には息は胸の中の肺にしか入りません。
肺が動くことで内臓の位置に動きが起こるので、見た目ではお腹が呼吸に参加しているように見えるのでこういう比喩が使われるのです。
実際にこの比喩が上手く働いて、結果的に肺が良く機能してくれる人もいるので、そういう人は問題ないのですが、これが意図された現実の動きと結びつかなくて、肺を使わずに腹筋だけでお腹をギュッと動かしてしまう人もいます。
比喩にはどうしても限界があるところで、やっぱり現実にどこでどんな動きが起こるのか、客観的に理解できるにこしたことはないと思います。
アレクサンダーのワークでは骨の名前や筋肉の名前が結構出てきて戸惑う人もいると思いますが、そういう言葉がでてくるのも理由があってのことです。思い切って解剖学を勉強すると音楽家にはたくさんのメリットがありますよ^_^
分厚い解剖学の本をいきなり読む必要はなくて、一度簡単にでも勉強すると、比喩だけの理解から考え方が変わって、一気に上達できることもあるかもしれません。
これまで興味がなかったという人はぜひ少しでも覗いてみてくださいね。
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