解説!アレクサンダー・テクニーククその③〜レッスンでは分からなくたっていい
こんにちは!
アレクサンダー・テクニーク訓練生の外池康剛です。
皆さんは、楽器のレッスンやお稽古ごとで「先生の言うことがよく分からないな」と感じて、でもそれを言うことを躊躇ってしまってモヤモヤすることがありませんか??
レッスンの場で
「分からない」
という言葉を口にし辛い理由はたくさん考えられますが、私が昔よーく悩んだのは
「分からないと言うと失礼かな」
とか
「分からないと怒られるかな」
という不安からでした^_^;
これは真面目な生徒さんほど陥りやすいモヤモヤだと思うのですが
「分からない」=「先生の教え方が下手」
とか
「分からない」=「自分の努力が足りない」
という無意識の変換が頭の中でそれこそ光速で起きてしまって、「分からない」ということが先生の問題あるいは生徒の問題だと思い込んでしまって気まずいということがあるのではないでしょうか。
もっと極端に言うと
「分からない」=「悪いこと」
「分かる」=「良いこと」
という無意識の決めつけが先生と生徒の間にできてしまうと、これはかなーり苦しいレッスンになります。
いつでも「分かりましたー!」が答えになるのならそれでもレッスンは楽しい時間になりますが、身も蓋もないことを言うと、どんなに良い先生が教えても、どんなに真面目に生徒が努力しても
「分からない時は分からない」
というのが現実で、逆を言えば先生の教え方がどんなに下手だったとしても、生徒がどんなに不真面目にやっていても、分かるときはスルッと分かってしまいます^_^;
だから、「分かる」ことは実は先生の手柄でも生徒の手柄でもないし、「分からない」ことは先生の失敗でも生徒の失敗でもありません。
もっと言えば、特にアレクサンダーのレッスンでは「分かる」ことも学びだし「分からない」ことも学びです。
分からなければ学べていないと思い込んでしまう人がいますが、アレクサンダーのレッスンでは「分からない」ことも大切なのです。
アレクサンダーのレッスンで生徒さんが変化や違いが
「分からない」
という時は殆どの場合変化を「感じよう」として失敗しています。
この場合にとても大切なのは
「感覚で理解しようとすると分からない」
ということを生徒さんが何度か実感することで、アレクサンダーのレッスンを続ける上では大変に重要なプロセスでもあります。
だから、実は「分からない」という時にとても大切なところを学んでいることが多いので、ここで焦らず躊躇わずに
「分からないなー」
という気づきを自分に充分許してあげて欲しいのです。
「分かったー!」はもちろん大切なのですが「分からないー」も同じくらいに時間をかけるべきプロセスです。
アレクサンダーのレッスンに限らず、どんなお稽古ごとでも、実はこの
「分からない」
を許してあげると学習がずいぶんと楽しく効率的になるのではないかと思います。
先生も生徒もついつい「分からない」を恐がってなんとか分かろう、分からせようと頑張りがちなのですが「分からない」にも学びがあるということに目を向けてみるとどうでしょうか^_^
※ところで、ドン先生は生徒の「分からない」を引き受けるのがとても上手です。
「君に分からない変化でも僕にはちゃんと観察できているから、君が変化が分からないと言ったって僕の職業的なプライドは全く傷付かない。だから分からないことは分からないと言っていいし焦らなくていい」
というようなことを最初に生徒さんに伝えたりします。
「分からないはOK!」
ということをクリアにしておくと、レッスンで必要以上な緊張感や不安を感じないで安全に学ぶことができます。
「分からないはOK!」
も先生の大切な仕事かもしれませんね^_^
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