痛みに対処するのではなく

腰痛などの慢性的な痛みに悩まされて、アレクサンダー・テクニークを学び始め、レッスンを通して痛みを解消する人は少なくありません。

しかし、アレクサンダー・テクニークのレッスンは「治療」ではありません。

このワークの中心にあるのは「教育」です。

教師と生徒とのやりとりが「レッスン」と呼ばれる理由もここにあり、アレクサンダー・テクニーク教師はこのワークが「教育」であるという哲学を非常に大切にしています。

それではなぜ痛みが解消されるのでしょうか。

実は、レッスンでは「痛み」や身体の「怪我」を直接に扱っているわけではありません。

アレクサンダー・テクニークを使って怪我や故障を回復することはできません。

レッスンで生徒さんが得るのは怪我の回復ではなく、怪我や痛みに対する「より適切な反応の仕方」です。

「痛み」というものをより細かく分析すると、「痛み」と「痛みに対する反応」に分けることができます。

痛みに対して過度に不適切に反応することが、感じる痛みをより大きくし、その痛みの大きさにさらに反応することで身体にますます負担を生じて痛みを強めてしまう場合が多々あります。

テクニークのレッスンでは自分の反応を観察し、不必要な反応を控え、適切な反応を意識的に選択することができるようになります。

すると、過剰に痛みを増やしていた自分の反応が抑えられ、結果的に痛みが解消されたように感じられます。

また、過剰に反応しないことで、痛みを作っていた身体の故障も自然な身体の治癒能力で回復していくことができます。

痛みに対する「反応」を変えることはとても重要で価値のあるアプローチなのです。


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