身体を思い出させる手

アレクサンダーのレッスンで特徴的な要素の一つに先生が生徒さんに触れる「手」の存在(ハンズオン)があります。

手を置く理由は先生の考え方やレッスンの目的、生徒さんのその時の状況で異なりますが、一つ大きな役割としては
「身体を思い出してもらう」
手伝いをするということがあります。

楽器の演奏でも、歌でも、そのほかスポーツや日常の動作でも、私たちは「結果を出そう」と頑張ると、そこに至るプロセスをついつい忘れてしまったり「自動運転」のように意識から取り除いて、それを忘れてしまいがちです。

忘れやすいプロセスの最たるものが私たちの「身体」です。

そもそも、私たちの身体は「自動運転」がとても得意です。直立二足歩行なんていう高度な動きを身体の使い方を意識しなくても文字通りほとんど自動的に実行できますし、例えばスマートフォンの文字入力のような複雑な仕組みもあっという間に馴れて「自動化」してくれます。私たちの身体はとても優秀なのです。

けれどだからこそ、一旦どこかに不必要な動きや緊張が組み込まれてしまった時にそれに気がつかないで通りすぎてしまうということがとても多くなるのです。

レッスンで手を置く時は、自動化されている動きの中で、一度見直して新しい動きを試してみたい場所を文字通り「思い出してもらう」ことを意図しています。

アレクサンダーのレッスンを受けると、先生の手が身体を変えたと感じる人がとても多いのですが、本当は身体を変えているのは生徒さん自身です。

先生はただ思い出してもらうために手を置いているだけで、そこで変化を作り出しているのは先生ではなくて生徒であるあなたなのです^_^

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