感覚を追いかけ回さない

初めてアレクサンダーのレッスンを受ける人の多くが体験するのは、文字通りびっくりするような解放感です。ちょっと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、体験する身体の身軽さをまるで「背中に羽根が生えたよう」と形容する人もいます。

レッスンでは不必要な筋肉の緊張を手放すことを学ぶだけなのですが、その結果として、身体の自由度や関節の可動性が増すと、その「感覚」の変化は驚くほど大きいのです。

これは本当に素晴らしい体験なのですが、一つの落とし穴もあります。あまりにも感覚のフィードバックが大きいので、一度この解放感を体験してしまうと、「同じ解放感を得る」ことがレッスンの目的になってしまう人がいます。

私自身もそのパターンを何度も経験しているので、無理からぬことと思うのですが、解放感を得ようと思ってレッスンを受けることは実は良い結果につながりません。感覚のフィードバックの大きさは、実は変化前後の「落差」の大きさでしかありません。

初めて受けたレッスンでは使い方の変化の落差がとても大きかったからこそ、感覚のフィードバックも大きかったのです。つまり、レッスンを繰り返して、自分自身の心身の使い方が洗練されていけばいくほどに変化の大きさは小さくなっていきます。

これは頭で理解していてもなかなか腑に落ちにくい理屈です。熱心にレッスンを受ければ受けるほど、結果として得られる感覚のセンセーションは小さくなっていくわけですから、粗っぽい言い方をすれば、得られる達成感は反比例的に小さくなることになってしまいます。

感覚を達成基準にすると、自分の学びが深まれば深まるほどに、ゴールから遠退いていくような気持ちにとらわれることになります。

レッスンで得られる「解放感」は言わば自分が自分の使い方を探求したことのご褒美のようなもの。もちろん喜んで受け取って良いけれど、それは目印にはならないのです。

感覚は時々やってきてくれるもの。敢えて追いかけ回さない。

それがレッスンでの上手な感覚との付き合い方かもしれません^_^

今回もお読みいただきありがとうございました!

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